音楽と一緒にお楽しみください

 気付くとそこはホテルの一室だった。
 オープニングで流れた音声が終わりの言葉を告げた後、白い光に包まれた。その強さに目を閉じたせいが次に見た光景がこの部屋だった。音声が言った通り、一緒にゲームに参加したはずの二人の姿はない。
 開けられたカーテンから光が射し込んでいることから日中であることはわかった。その他には、誰かが眠っていたであろう乱れたベッドと、ゴミとして捨てていった空のペットボトルと雑誌がサイドテーブルの上に無造作に置かれている。
 そして、使用済みのシーツやタオルなどを入れるキャスター付きの大きな袋が近くにあり、鏡に映った自分の姿を見て『清掃員』であることもなんとなく理解した。

 清掃員で脱出? どういうゲームなんだ?
 疑問を思い浮かべる晟に応えるように、腕時計のような装具が振動と光を発した。画面に指で触れると、時計をしている腕にずらりとアイコンが表示される。
左から「家」「人」「地図のような四角形」「服」「手足」のマークがあり、その上に「ホーム」「メンバー」「マップ」「装備」「スキル」と書いてあった。今はその「服」アイコンが点滅している。

 チュートリアルってわけ? 素直に光るアイコンをタップすると、時計から何かを探るような青白い光がベッドの上をなでるように動き、バスローブをとらえた。青白い光はバスローブをスキャンするセンサーとなり、腕の「服」アイコンの中にそれを追加する。

 晟は躊躇うように指を一瞬引っ込めるが、新たに追加された「バスローブ」に触った。するとセンサーと同種の光が体から放たれ、その3秒後にはバスローブ姿となっていた。

「へー、面白いな。これで色々できるってわけか」

 思わず一人言を呟いてしまった。
 とりあえず今はバスローブのままでは動きにくいので、元の清掃員となる。

「あとは私が引き継ぐから、あなたはスタッフルームに戻って」

 突然背後からノック音と共に女性の声が聞こえた。驚き振り向くと、長い黒髪を一つにまとめた20代くらいの女性がほぼ無表情でこちらに向かってくる。すれ違い様にネームプレートを盗み見ると『九条』と書かれていた。

「この雑誌は忘れ物として保管しておいて」

 さっさと晟の横を通りすぎた九条は、そう言いながらサイドテーブルにあった雑誌を手渡す。先程は気付かなかったが、その雑誌は『クロスワード』であり、小さなメモが栞のように挟んであった。

「この答えは?」

 解けってことか。メモに書いてある文字を見て、今度は頭の中で呟く。なんともまあ、わかりやすいお膳立てだが、スタッフルームに戻る振りをして部屋を出た晟は、早速中身をめくった。

 そのページの答えは「①②③④⑤へ行け」
 問題を見て、晟はすぐさま答えの場所へと向かった。

●楽園は英語でエデン。では天国は?
 ⇒①◯◯
●白雪姫が食べてしまった毒入りの禁断の果実
 ⇒②ン◯
●地位。郵便③◯ト
●手紙にして送りたい言葉。伝言。
 ⇒メ◯◯④ジ
●チャンピオン◯◯⑤

 

 




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