こういう時って幸せだな
これは、私が講師として活動するために身につけておいた方がいいなと、魄(はく)や朧(おぼろ)について学んでいた時の話。兄ちゃん──伊藤智孝(いとうともたか)先生に呆れ顔をさせるほど、私は暇さえあれば質問していた。単純に知らないことを知る楽しさもあ...
これは、私が講師として活動するために身につけておいた方がいいなと、魄(はく)や朧(おぼろ)について学んでいた時の話。兄ちゃん──伊藤智孝(いとうともたか)先生に呆れ顔をさせるほど、私は暇さえあれば質問していた。単純に知らないことを知る楽しさもあ...
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[su_service title="音楽と一緒にお楽しみください" icon="icon: headphones" icon_color="#1c1f1e" size="20"]楽曲提供|音楽の卵|旅のはじめ[/su_service] 気付くとそこはホテルの一室だった。 オープニングで流れた音声が終わりの言葉を告げた後、白...
[su_service title="音楽と一緒にお楽しみください" icon="icon: headphones" icon_color="#1c1f1e" size="20"]楽曲提供|音楽の卵|時計紡ぎ[/su_service] ようこそ99.7の世界へ。これは脱出ゲームである。プレイヤーの君たちは、その大いなる知恵と...
初めは、聞き間違いかと思った。 でも、彼女ははっきりと言った。「いじめられるのは、弱いからじゃないよ」 どういう意味なのか? と眉間に皺を寄せる。「立場的にとか、肉体的にっていうのはあるけど、本当は強くて優しい人だからだよ」 ますます...
「全機能停止を確認。回収に入ります」 黒く濁る瞳を見つめながら、僕は上官にそう報告した。上官は僕が任務完遂することが当然であるかのように、さほど興味もなさそうな声色で了解の意を告げ、通信を切る。 頭部を潰され、ピクリとも動かず横たわるそ...
全身が痛い。 もう、指一本動かすことも出来ない。 意識が吹っ飛びそうになる中、先生の声が聞こえた──「逃げて」って。 逃げないよ。 暴力を受けることしか生きる価値がないと思っていた僕の考えを正してくれた先生。 そんな先生を置いて逃げたら...
私は、自分の中に流れる女の血が嫌いだった。 男に溺れた母親のようにはなるまいと、必死で自分の中の女を排除してきた。感情の赴くままに動かず、女だからと甘えず、男にバカにされないよう対等に渡り歩こうと生きてきた。 だから必死で勉強をした。...
彼女は言った。「男が怖い」と。次に「いなくなっちゃえばいいのに」と続けた。そして最後に「ひどいこと言ってごめんなさい」と、俺に謝った。言う相手が間違っていることも、そんな男ばかりでないこともわかっていると、彼女は言った。でも、どうしても...